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内服薬による治療

緑内障の西洋医学的な治療のひとつ、内服薬について考えてみましょう。

緑内障の治療における内服薬とは

内服薬による緑内障治療のイメージイラスト

点眼薬だけで効果がないときや、手術を控えている時など、短期間ではありますが内服薬を用いた治療を行うことがあります。

内服薬には大きく分けて2つのタイプがあります。

1つは多炭酸脱水酵素阻害薬というもので、房水の産生をおさえることで、眼圧を下げる薬です。

もう1つ、通常血圧をコントロールする薬として用いられますが、その血管拡張作用を利用し、視神経周囲の血流改善効果をねらって服用するカルシウム拮抗薬という薬があります。こちらは正常眼圧緑内障のケースで用いられることが多いようです。

内服薬の種類

ダイアモックス

「ダイアモックス」は、眼圧を下げるために高い効果を発揮する内服薬です。内服薬の種類としては「炭酸脱水酵素抑制剤」に分類され、有効成分は「アセタゾラミド」という成分です。

薬効薬理

炭酸脱水酵素は腎上皮、赤血球、脳、毛様体上皮等に存在し、生体内で、炭酸ガスと水から炭酸を生成する可逆反応(CO2+H2O←→H2CO3)にあずかる酵素である。アセタゾラミドはこの酵素を特異的に抑制し、以下の作用を発揮する。

1. 眼圧低下

アセタゾラミドは毛様体上皮中に存在する炭酸脱水酵素の作用を抑制することによって房水の産生を減じ、眼圧を低下させるといわれている。

出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構『ダイアモックス末/ダイアモックス錠250mg』

つまり、アセタゾラミドは炭酸脱水酵素という酵素の働きを抑えることで房水の生成を抑え、結果的に眼圧を低下させます。

アダラート

「アダラート」は、視神経の血流を改善する働きを持つ「カルシウム拮抗剤」に分類される内服薬で、有効成分は「ニフェジピン」です。本来の処方としては、高血圧症、狭心症、腎性高血圧症などの治療に利用されています。

■薬効薬理

ニフェジピンは筋の興奮収縮連関物質であるCaの血管平滑筋及び心筋細胞内への流入を抑制して,冠血管を拡張するとともに全末梢血管抵抗を減少させ,抗高血圧作用と心筋酸素需給バランスの改善作用をあらわす.

出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構『(PDF)アダラートカプセル5mg/カプセル10mg』

ニフェジピンは全身の末梢血管に働きかける効果を持つため、視神経周辺の血管にもその効果をもたらします。また、効果が安定していて持続的であることも特徴の一つです。

メチコバール

「メチコバール」は末梢性神経障害の治療に用いる内服薬で、緑内障の治療薬ではありません。ですが、「ビタミンB12」の一種である「メコバラミン」を有効成分としているため、ビタミンB12の神経細胞保護の効果を狙って処方されることがあります。

【薬効薬理】

  • 1.メコバラミンは、生体内補酵素型ビタミンB12の1種メコバラミンは、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働き、メチル基転位反応に重要な役割を果たす。
  • 2.神経細胞内小器官へよく移行し、核酸・蛋白合成を促進 シアノコバラミンに比し、神経細胞内の小器官への移行がよい(ラット)。

出典:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構『(PDF)メチコバール錠250μg、メチコバール錠500μg、メチコバール細粒0.1%』

ビタミンB系の栄養素は全般的に視神経を保護しますが、その中でも特に神経保護作用に優れているのがビタミンB12であり、視神経の保護と機能の促進を同時に行ってくれます。

内服薬のメリット

緑内障の治療薬のほとんどは点眼薬であり、内服薬を処方されるケースは少ないと考えられるでしょう。ですが、当然、内服薬を処方するメリットも存在します。

まず、飲み慣れた「内服薬」という形での治療であるため、患者にとっては緑内障治療のためのハードルが低く、治療のためのコストが低いことが挙げられます。例えば、眼圧を下げる「ダイアモックス」の薬価は1錠で24.1円となっており、1日当たり70円ほどの治療費です。

さらに、医院に行って内服薬を処方してもらった後は、通院する必要がない点もメリットでしょう。自宅にいながら緑内障の治療を受けられるという点は、患者にとって大きな魅力と映るはずです。

また、内服薬には先にご紹介した2つの種類がありますが、特に「多炭酸脱水酵素阻害薬」を処方することには、治療上でも大きなメリットがあります。その理由は、点眼薬よりも即効性があり、眼圧を下げる効果が非常に高いとされているためです。

そのため、緑内障発作や新生血管緑内障の発症、手術後などで非常に眼圧が高く、すぐに眼圧を下げなければ危険な状態のときに処方されます。ただし、一般的な治療に用いられる可能性は低い内服薬です。

内服薬のデメリット

内服薬での治療は、身体全体に関わることになるため、治療のステージとしては点眼薬よりも一歩進んだことになります。けれども、この内服薬での治療には大きなデメリットがあり、恒久的に続けることはできません

一番のデメリットは、さまざまな副作用。まず、飲み始めの頃には手足のしびれを感じる場合が多いようです。さらに飲み続けると、尿の回数が増えたり、血液の電解質のバランスが乱れてしまうこともあります。

比較的長い期間飲み続ける場合は、定期的に血液や尿の検査を受けて、他の器官に悪い影響が出ていないかを調べる必要があります。

また、内服薬での治療では、薬の飲み合わせにも注意が必要。一般的な風邪薬などに含まれる抗コリン作用を持つ薬を飲むと、眼圧が上がってしまうケースがあります。緑内障を患っている時は、風邪薬をはじめ、アレルギーの薬、胃腸薬、安定剤、抗うつ薬、不整脈の薬での飲み合わせに気を付けてください

さらに、ステロイドを長期的に利用することで、緑内障になることもあるので、緑内障の内服薬を用いている時は、ステロイドの服用にも注意が必要です。内服薬での治療を行っているときに別の病気で薬を飲む場合は、薬剤師はもちろん、眼科医にも報告しておきましょう。

内服薬での治療は、副作用の大きな割に効果が見えにくいものでもあります。漢方薬への切り替えなども視野に入れつつ、治療を慎重に進める必要があるでしょう。

トラブル事例

急性心不全を発症したケース

ダイアモックスの内服によって重篤なトラブルが発生したケースは、2015年段階で国内で9例、海外で7例が報告されています。その中の症状の一つである急性心不全を発症した理由は、解明されていません。

循環器専門医による検討ではいずれも可能性は低く、わずかに「重篤な冠硬化症合併例で、アセタゾラミドの利尿効果による血液濃縮による心筋虚血誘発の可能性」、「代謝性アシドーシスにともなって過呼吸、さらに冠攣縮を誘発した可能性」が考えられるとの指摘であった。

出典:日本脳卒中学会、日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本核医学会『(PDF)アセタゾラミド(ダイアモックス注射用)適正使用指針』

冠状動脈硬化症を発症している方がダイアモックスを服用したか、血液中の酸が多くなったことが原因だと考えられていますが、いずれにしてもはっきりとした原因が分かっていないので、トラブルのリスクを避ける方法も解明されていません。

急性肺水腫とアナフィラキシー症状を発症したケース

また、ダイアモックスで急性肺水腫とアナフィラキシーショックのような症状を引き起こしたという事例もありました。

肺水腫の発生には、心原性あるいは代謝性アシドーシスなどによるものが考えられる。しかしながら、単独機序で説明することは困難であり、複数の要因が複合的に作用している可能性がある。

出典:日本脳卒中学会、日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本核医学会『(PDF)アセタゾラミド(ダイアモックス注射用)適正使用指針』

こちらも血液中の酸が多くなる代謝性アシドーシスが影響していると考えられていますが、原因はやはり解明されていません。急性心不全のケースと併せて、国内では合計9件のトラブルがありましたが、そのうちの6件が命を落とす結果に繋がっているため、これらのトラブルを軽視することはできないでしょう。

内服薬と点眼薬の成分の違い

内服薬と同様、点眼薬にもいくつかの種類がありますが、内服薬と点眼薬では配合されている成分も違っており、異なる働きによって効果を発揮させます。

  製品名 有効成分 効果
点眼薬 グラナテック点眼液[1] Rhoキナーゼ 繊維柱帯からシュレム管からの房水の流出を促す
ラタノプロスト点眼液[2] ラタノプロスト ぶどう膜強膜流出経路からの房水の流出を促す
キサラタン点眼液[3]
内服薬 アダラート[4] ニフェジピン 血管を拡張させて視神経周辺の血流を促す
ダイアモックス[5] アセタゾラミド 炭酸脱水酵素の働きを抑制し房水の生成を阻害する

このように、点眼薬は「直接房水の排出を促す」という働きがありますが、内服薬は「房水の生成を抑える」「視神経の働きを改善させる」という点からアプローチするため、緑内障によりダイレクトに効果をもたらすのは点眼薬の方でしょう。

市販薬でも効き目はあるの?

緑内障の治療薬を薬局などで購入できれば、通院する手間も省けて患者側とすれば楽でしょう。ですが、緑内障ではほとんどの市販の点眼薬を使うことができず、内服薬も一般的に市販されていません。

むしろ、緑内障の方は市販の風邪薬を服用することができない場合もあり、市販薬に関しては制限が設けられてしまう可能性もあるのです。そのため、点眼薬でも、注意書きに「緑内障の方は医師に相談」と記載されていることが多いでしょう。

特に、「閉塞隅角緑内障」の場合は、抗コリン薬や交感神経刺激薬は服用を控えるべきだとされているので、市販されているアレルギー用の薬や咳止め、鎮痛剤、めまい薬にも注意しなければなりません。

唯一服用できる市販薬としては、ビタミンB12製剤が考えられますが、ビタミンB12製剤のみで緑内障を改善することは難しいため、眼科に行って治療薬を処方してもらうことがベストです。

[1]参考:興和株式会社『(PDF)「グラナテック®点眼液0.4%」新発売のお知らせ』

[2]参考:一般財団法人 日本医薬情報センター 医薬品情報データベース『(PDF)ラタノプロスト点眼液0.005%「ニット―」』

[3]参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構『キサラタン点眼液0.005%』

[4]参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構『(PDF)アダラートカプセル5mg/カプセル10mg』

[5]参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構『ダイアモックス末/ダイアモックス錠250mg』

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